兄妹で事業所を利用している場合はどうなる?障害福祉における兄弟間上限管理とは
Contents
兄弟間上限管理の基礎知識
同一世帯で複数の障害児が放課後デイサービスなどの障害福祉サービスを利用していた場合、兄弟間上限管理が必要になります。障害福祉サービスを利用するに際に必要になる受給者証には上限負担額が記載されています。この負担額は、世帯所得によって決まります。
上限負担額は世帯での上限負担額となるため、複数の障害児が利用している場合は利用料金を合算し上限負担額を超えないように管理する必要があります。世帯で障害福祉サービスを利用する人数が多かったとしても、世帯で負担する金額が多くならないようになっています。
上限管理を受ける方法は大きく分けて2つあります。それは、余分に支払った利用料金を自分で申請し返還してもらう方法と、事業所に兄弟間上限管理をしてもらう方法です。自分で申請する場合は、返還対象ではないサービスもありますので、利用サービスが対象か確認するといいでしょう。兄弟間上限管理を事業所にお願いする場合は、事業所が請求金額を管理し、手続きすることになります。手続きや申請を変わりにしてくれる障害福祉請求代行を利用しているところもあります。
兄弟間上限管理の対象と条件
障害福祉サービスを利用する場合、利用者は受給者証の発行が必要になります。この受給者証を事業所に提出し確認してもらうことで、障害福祉サービスを利用することができます。兄弟間上限管理が必要な世帯は、事前に手続きをする必要があります。その手続きには受給者証が必要になります。
利用者が兄弟間上限管理対象者かは、受給者証を確認すると分かります。まず、受給者証に記載されている受給者(保護者)欄が同じ名前になっています。利用者負担上限額管理対象者該当の有無が該当となっており、特記事項に複数障害児ありと記載されています。申請のタイミングで該当の記載がない場合がありますので、事業所に兄弟でサービスを利用していることを伝えるといいでしょう。複数障害児ありという記載は市町村によっては記載されていないことがあります。
複数の事業所を兄弟間で利用している場合は、どの事業所が上限管理をするか決める必要があります。兄弟間上限管理をすることが決まった事業所は、請求申請をスタッフや事務員がおこないますが、障害福祉請求代行やソフトを利用することもあります。基本的には利用日数の多い事業所が上限管理をすることになります。
兄弟間上限管理の申請方法と障害福祉請求代行などを利用した課題解決
兄弟間上限管理を事業所にお願いする場合は、保護者が「複数障害児上限額管理用 利用者負担上限額事務依頼(変更)届出書」を市町村に提出する必要があります。管理する事業所が決まった場合は、事業所は上限管理加算を請求することができます。利用状況によっては請求ができない場合もありますので、条件を確認するといいでしょう。
急なスタッフの退社や、法改正などによって請求内容に変更があるなど事務作業が滞ることもあります。障害福祉請求代行やソフトなどを使って負担を軽減することもできます。障害福祉請求代行は、国保連への請求方法が難しくて時間がかかってしまう人や、人材不足の事業所などに利用されることがあります。
兄弟間上限管理をすることによって、世帯での負担額が大きくならないようにすることができます。請求が事業所にとって負担にならないように障害福祉請求代行やソフトなどを上手く利用し、スタッフが療育などに集中できる環境作りも大切になるでしょう。
家庭内で障害児が複数人いた場合のニーズを把握し調整する
障害福祉サービスを利用する場合、面談をおこない家族や本人がどのようなニーズを持っているのかを確認し、そのニーズを反映した支援計画書を作成する必要があります。面談の時には世帯で複数の障害児がサービスを利用していることを事業所に伝えます。事業所は面談の時に気を付けたほうがいいことや、どのような目標を持って活動したいかなどをヒアリングし支援計画書を作成します。支援計画書は保護者に内容に相違ないか確認を取り署名をもうらようになっています。
兄弟間上限管理は事業所に複数の障害児が世帯にいることを伝えないといけないため、必ず情報として事業所に伝わります。事業所は情報として確認するだけではなく、兄弟姉妹間でどのような関わり合い方をしているか、保護者が兄弟姉妹に障害児が複数いることでどのようなことで困っているかなどをヒアリングし支援計画書に反映できるといいでしょう。定期的に支援計画書を元に面談をする機会があるので、情報共有をしっかりおこない利用者にとって適切な環境で活動できるように対応することも大切です。
連携と支援の最適化のためにスタッフに負担がかからない環境作り
兄弟間上限管理が必要な家庭は障害児が複数人いるため、福祉のサポートを利用する機会が多くなります。兄弟が同じ事業所を利用していない場合もあり、上限管理をおこなう事業所は、他の事業所を使用している兄弟姉妹とは接しないこともあります。そのため兄弟間上限管理をする事業所は、サポートを利用していない兄弟姉妹の管理をおこなうこともあります。
利用者本人のみのサポートだけではなく、兄弟姉妹間で何か気になる点や必要なアプローチがないかなど、幅広い視野で支援する必要があります。多様なニーズがあるため、スタッフにも負担がかかることがあります。そのため障害福祉請求代行やソフトを利用してスタッフが療育に専念できるような環境作りをしているところもあります。それぞれの世帯に合ったアプローチが必要なこともあり、本人や家庭がどのような問題を抱えているのかなど把握することが大切です。ニーズをしっかり把握し、よりよい環境で利用者が活動できるように障害福祉請求代行などを上手く取り入れ負担を分散させるのもいいでしょう。