2023.09.22
返戻

障害福祉における返戻(へんれい)とは

返戻の概要と意義

”返戻”とは障害福祉サービスや介護保険の請求情報に不適切な処理があった場合に事業所に請求情報が戻されることを指します。また、すでに支払いを受けた障害福祉サービス費などについて、請求する前の状態に戻すことも返戻にあたります。もう少しわかりやすく説明すると内容の不備によって請求が差し戻されるという事です。
この返戻が多く発生してしまうと翌月にその返戻に係わる報酬が支払われない事態になってしまいます。それは事業所を運営していく上では大問題と言えるでしょう。なぜならば安定的に収入を確保できない事態は雇用の安定にも影響し兼ねません。それはサービスの質や量、従業員への負担増、最終的には利用者様にも影響が出てしまいます。そうなってしまっては信頼を失ってしまい、事業所を運営していくことが難しくなってしまうかもしれません。 もし、請求業務に少しでも不安を感じているのであれば障害福祉請求代行を利用することも一つの手段と言えるでしょう。 

返戻の主な要因と発生例

障害福祉サービス費を請求する際に返戻が生じる主な要因や原因としては以下の様な例が挙げられます。

(1)受給者番号の相違
(2)受給証の有効期間切れ
(3)支給決定期間の期限切れ
(4)過去に同じ請求をしている
(5)市町村審査によるエラー判定

これらは代表的な返戻の一例です。これらの返戻は人的ミス(ヒューマンエラー)によるものがほとんどです。確認は何度もしていたつもりでも、見間違いや認識間違い、データの打ち間違いや紙ベースであれば誤字脱字も考えられます。
障害福祉サービスにおいて返戻が発生する典型的な事例としては先の例にもありましたが利用者の基本情報の相違があげられます。
つまり利用者の受給者証に記載されている情報と請求ソフトに入力した情報が違っている場合を指しています。新しく利用者が増えた際には請求ソフトに情報を入力する必要があります。受給者番号、氏名、性別、生年月日等々様々な情報を入力しなければなりません。この入力をする際に、人的ミスが起きてしまうのです。

返戻削減のための取り組み

厚生労働省においては返戻削減のための取り組みとして、2023年3月請求からの返戻再請求及び再審査申出のオンライン化を円滑に実施出来るよう、システム事業者に対して必要な対応を完了するよう働きかけるとともに関係機関と連携して周知の徹底を図るものとしています。この取り組みは再請求及び再審査申出にかぎったものです。
現状において政府や地方自治体、福祉団体などがおこなっている返戻削減の為の政策は、住んでいる地域や地方自治体によって異なるため、明確な対策はほぼないと考えてもいいでしょう。
この状況からしても、返戻削減をしようと考えた場合、請求業務に特化した人員を配置し、人件費を捻出する、もしくは障害福祉請求代行による請求業務のスペシャリストに業務を委託することが一番効果のある返戻削減への取り組みといえます。
この障害福祉請求代行による請求代行の役割とメリットについては次の項目をご覧ください。

障害福祉請求代行の役割とメリット

今回は特に障害福祉請求代行の役割と導入するメリットはどのような事があるのかについて5つ説明していきます。

1.請求業務の正確性を確保することで、誤請求や重複請求を防ぐことができる。
2.事業所長や管理者又はサービス提供責任者が保険請求業務に時間をかける必要がなくなり、サービス提供やその他の事務作業に集中できるようになり、サービスの質の向上が  期待できる。
3.万が一、請求業務に関したトラブルが発生した際には請求代行会社が各所に問い合わせ等を代行しておこなう為、労力をかけずにスムーズに請求処理を行うことができる。
4.障害福祉請求代行の会社は請求処理の専門家であり、法規制や手続きに精通しているため、請求処理の際に起こるミスを最小限に抑えることができる。
5.障害福祉請求代行の会社によっては、過去の請求で困っている案件の原因究明とその後の処理や、利用者への請求書送付作業までもお願いできる。

これらの要因が重なり、障害福祉請求代行をうまく活用することが返戻の削減に有効な取り組みとなると言えるでしょう。

返戻削減への共同の取り組み

実際に返戻削減に向けた共同の取り組みとはどのようなものがあるのでしょうか。
まずは適正利用の推進です。利用者も必要なサービスを必要なだけ利用し、無駄なサービスは利用しないことを促すことで、返戻を削減することができます。そのためには利用者やその家族への情報提供、サービス提供責任者等への教育や研修が重要となっています。
次に効果的なサービスの提供です。目的に合わせた適切なサービスが提供されることで、効率的かつ返戻のない運用ができます。例えば、個別支援計画の作成、利用者の状況に合わせたプログラムの提供などがあげられます。
そしてシステムの改善です。業務の効率化やコスト削減など、システム全体の改善をおこなうことで、返戻を削減することができます。この記事でも説明をした障害福祉請求代行への業務委託や業務効率化のためのシステム導入、施設の統廃合や運営基盤の見直しが考えられます。